味泥復興計画 No.1

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Subject: [MFK] Midoro Fukko Keikaku No.1
Date: 26 Mar 95 18:52:00 GMT

>>00297/00308 GHA02037  つじ             味泥復興計画1号
>>(16)   95/03/25 18:11                     コメント数:2
]

 灘区南部でまちづくり活動を続けていた「味泥地区」での復興活動の様子をレポー
トした「味泥復興計画」の1号と2号(次のMES)をお送りします。
 
====================【転載自由】====================================
味泥復興計画1号
発行:灘南部自治会・味泥復興委員会(味泥下町活性化委員会)
発行日:1995年2月23日
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■味泥再建に向けて復興委員会を設置
・味泥のまちの再建に向けて取り組みを始めています。
 「待ちの姿勢」では行政は動いてくれません。再建について行政に積極的に提案し
ていきましょう。
・これまでの味泥まちづくりをアドバイスしてくれていたコンサルタントの久保さん
(久保都市計画事務所)いきいき下町推進協議会の三輪さん(神戸大学)、森崎さん
(森崎建築設計事務所)も駆けつけ、専門グループとして支援してくれています。

<写真・自地会館は避難所として利用しているため、西武電機の御厚意により会議室
をお借りして会合をしています>

■近隣ごとに結束して再建をめざそう
・「当面の問題の解決」と「将来の再建の相談」を平行して進めていきましょう。
・災害から命を守り、快適な生活ができるよう、「住宅の共同建替や協調建替」を推
進しましょう。(P3参照)
・隣同士で話し合って再建プランをつくり、制度など行政の支援を求めましょう。
・これまでの「味泥下町計画」を継承し、歴史を生かし、コミュニティの絆の強い
「新下町」を建設しましょう。

■取り組みの体制−−みんなの力と知恵を結集しよう
・「味泥復興委員会」「近隣共同事業体」「専門チーム」の3者で協力して取り組み
ましょう。
・「味泥復興委員会」は各町丁毎に復興委員を選んでいます。
・隣同士でまとまって、住宅の「共同建替」又は「協調建替」を進めようとするグル
ープなどを、ここでは「近隣共同事業体」と称しています。

<図・取り組み組織図>
P1
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■ここ2ヶ月の取り組み−−隣同士で声を掛け合い行動しよう
●町丁毎の復興委員と一緒に協力して取り組んでください。
(1)名簿の作成
・各町丁毎に住民の連絡先がわかる名簿づくりを進めています。
(2)建物の診断・相談会の実施
・今の建物で住めるかどうか迷っておられる方のために、建物の診断・相談会を実施
します。
 緊急時ですので、専門チームの監理のもとに、施工業者のボランティアによる「建
物の診断・相談」を実施します。
 あくまでも皆さん各自が再建策を判断していく上での一つの参考として利用して下
さい。
(3)アンケートの実施
・災害状況、今後の意向や意見を整理し、復興計画の基礎としますのでご協力くださ
い。
(4)隣同士で再建の話し合いを
・まず隣同士で声を掛け合って、将来の再建の話し合いを始めてください。
・それぞれの建物敷地が狭い、又は前の道路幅が狭い当地区の多くの区域では、「住
宅の共同建替、協調建替」を行うことが、防災面、住環境面から望ましく、また助成
制度など行政の支援が得られます。
・長屋など賃貸住宅の場合は、関係者でまとまって話し合いをしましょう。必要があ
れば専門チームも参加し、一緒に考えます。

<お知らせ>
【建築の診断・相談会】
・希望者のそれぞれの建物の場所で診断・相談を行います。
■阪神電鉄線より北側の区域
実施日:3月2日(木)
希望者集合場所:求女塚西公園
希望者集合時間:午前10時
■阪神電鉄線より南側の区域
実施日:3月3日(金)
希望者集合場所:求女塚西公園
希望者集合時間:午前10時

【アンケートの実施】
・アンケート調査表を「味泥復興計画1号」と一緒にお渡ししますので、ご協力をお
願いします。
・3月6日(月)までに、各町丁毎の復興委員にお渡しください。
P2
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■住宅の共同建替・協調建替とは
・もとの住宅を建て替える場合、下の図のように大きく分けて「共同建替」「協調建
替」「個別建替」の3つの方法があります。

(以下は、マトリックス表をテキスト化している)
【共同建替】
<イメージイラスト>
A.長所
1.敷地を非常に有効に利用でき住宅面積を広くできる
2.日当たり、風通しが良くなる
3.個別には建替ができない敷地でも建て替えられる
4.公的な援助が受けられる
5.オープンスペースを有効に取れる
6.余分の床面積をつくれるので、資金面で有利である
B.短所
1.自分の思い通りの建替ができない
2.土地、建物が共有になる
3.共同住宅になるので自由に建替ができなくなる
4.中高層住宅になり、いえなみになじまない場合がある
5.管理面での問題が生じる
6.意見の調整が面倒である
7.権利の調整が面倒である

【協調建替】
<イメージイラスト>
A.長所
1.敷地をある程度有効に利用でき住宅面積を広くできる
2.日当たり、風通しが良くなる
3.土地を共同所有にする必要がない
4.建替時期が自由に選べる
5.公的な援助が受けられる
6.いえなみを統一し、まちの美観を整えることができる
7.比較的自由に建替えができる
B.短所
1.自分たちで決めたルールを守らなければならない
2.敷地条件によっては、建替ができない場合がある
3.共同建替に比べて、オープンスペースなどが有効に取れない
4.共同建替のように、余分の床面積をつくることができない
5.意見の調整が面倒である

【個別建替】
<イメージイラスト>
A.長所
1.自分の思い通りの建替ができる
2.土地が自分の所有である
3.戸建住宅にできる
4.建築時期が自由に選べる
5.意見の調整をする必要がない
6.権利の調整をする必要がない
B.短所
1.無駄なスペースができる
2.建替後の方が狭くなる場合がある
3.日当たり、風通し等が悪くなる場合がある
4.敷地条件によっては建替ができない場合がある
5.いえなみがばらばらになり、まちの美観を損う場合がある
6.オープンスペースが有効に取れない
P3
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■味泥復興委員会委員
・味泥復興委員は、それぞれ困難な事情の中で、大変なお世話をお願いしています。

各町丁毎で、より多くの方が委員としてお世話いただく必要がありますので、是非参
加をお願いします。
また復興に対するご協力をお願いします。

<表・味泥復興委員会名簿(省略)>

コンサルタント   久保光弘((株)久保都市計画事務所)
いきいき下町協議会 三輪康一(神戸大学) 森崎輝行(森崎建築設計事務所)

△○□ GHA02037/つじ from KOBE by Q700改/34MHz ■●▲