Posted: Wed, 8 Feb 1995 21:49:18 +0900
Sender: ebina@teabreak.kobe-u.ac.jp (EBINA Kuniyoshi)


                 平成7年2月7日

神戸大学構成員の皆さんへ


                 神戸大学長 鈴木 正裕


  1月17日未明におきた阪神大震災によって,5250人を超える尊い人の
命が奪われ,10数万棟ともいわれる多くの家屋が全・半壊し,今なお不自由
な避難所暮らしの25万人の方々がおられます。
  本学でも,39人の学・院生と2人の教職員が犠牲となり,重傷の方も少な
くありません。また,家屋や住む場を失った方々も学生・教職員の多数に及ん
でおります。
  この大震災で被災された全ての方々に,衷心よりお見舞いを申し上げます。
  このような未曾有の災害に際して,本学の教職員・学生諸君の多くが,自ら
被災を受けながら,他の被災者や地域社会の救援と復興に献身的な活躍をされ
ていることに感動しております。
  被災地にある本学も,建物そのものについては,学舎も附属病院等も決定的
な損傷は受けていませんが,内部の設備や実験機械・器具,図書や資料に多く
の被害を受けました。その復旧には多大の時間と努力が必要です。
  この危機は,全学が一丸となって協力することで乗り切る以外に方策はあり
ません。その目的は神戸大学の再建ではなく,新しい神戸大学の創造にありま
す。それが,41名の尊い命を失った方々に報いるために,われわれ神戸大学
の全構成員がなし得る唯一の選択だと信じます。
  現在,学内ではまだ暖房も不自由な状況で,期末試験,入学試験,建物・施
設の点検・修復など,教育・研究の現状回復のための必死の努力が続けられて
おりますが,神戸大学のさらなる発展のために,全構成員が一丸となって一層
の努力をされることを衷心よりお願い申しあげます。