神戸大学ジャワ島中部地震調査 総合シンポジウム開催報告

 

 

 

日時  1010() 930分~1230
場所  神戸大学百年記念館 六甲ホール
参加者 58

 

 

 

 本年527日に、インドネシア・ジャワ島中部のジョグ・ジャカルタ市南部で発生した地震では、死者が約6,000人に達する大惨事となりました。本地震災害に対して神戸大学は、都市安全研究センターと医学系研究科及び医学部附属病院、工学部、21世紀COEが中心となって以下の通り、合計8回にわたり、緊急医療活動、災害の原因や被害に関する学術調査、復興支援活動を行って参りました。

6月 2日~611日 緊急医療活動(医学部)

6月 4日~611日 被災状況調査(都市安全研究センター(以下「都市安全」))

6月 9日~614日 精神的サポートとリハビリテーション(医学部)

7月 8日~713日 地震動特性とライフライン被害の調査(工学部)

720日~7月27日 建築物の被害と住宅・生活再建の調査(COE・都市安全)

730日~8月 6日 地震被災地調査と復興調査(都市安全)

827日~9月 1日 緊急シェルターから住宅復興・耐震住宅普及(COE・都市安全)

910日~914日 住宅被害と地盤との関係調査(都市安全)

 各活動や学術調査につきましては、緊急報告会の形で既に報告しておりますが、神戸大学のこの4ヶ月にわたる緊急医療活動、学術調査、復興支援活動を総合的にまとめ、今後どのような支援・調査・研究が必要であるかを明らかにする目的で、1010日に、神戸大学百年記念館六甲ホールにて、「神戸大学ジャワ島中部地震調査総合シンポジウム」を開催致しました。

引き続き、「神戸大学は大災害に対して、どのような形で貢献できるのか、いかに対応すべきか」というタイトルで、沖村孝教授(都市安全研究センター)をコーディネータとして、パネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、高田哲教授(医学部保健学科)、高田至郎教授(工学部建設学科)、飯塚敦教授(都市安全研究センター)、北後明彦助教授(都市安全研究センター)、重村力教授 (工学部建設学科、21世紀COE)、塩崎賢明教授(工学部建設学科、21世紀COE)、田中泰雄教授(都市安全研究センター)より、それぞれの立場からコメントを頂きました。最後に、コーディネータの沖村教授より、パネルディスカッションの内容が以下の5つにまとめられました。

(1)調査の目的と正確さ:目的を達成するには調査の仕組みをどうすれば良いかについて、コーディネートするシステムが必要である。

(2)社会貢献:情報を発信するだけでなく、地域とともに考えることが重要である。

(3)教育と研究:若い研究者を現地に派遣して災害を経験してもらい、より深く考えてディスカッションする場を設けることが必要である。

(4)連携:自然科学と社会科学を連携させて、復興をコーディネートすることが重要である。

(5)国際交流:医学部による緊急医療支援のように、国際交流、国際貢献の視点が不可欠である。